White Road

マサチューセッツ州ケンブリッジに住む理系院生の日記

MENU

TA training (2・3日目)

2日目のテーマは「フェロセンの合成とアセチル化」。

この実験は学部3年時の学生実験でやったことがある…けど、その時はTAが試薬の調製をミスったため合成が上手く行かなかったという、若干嫌な思い出。

今回は普通にできました。けど、化学専門じゃない学生がいきなりこんな合成できるんだろうかと若干心配。

3日目は「チャールズ川の溶存酸素量の測定」。

なんと、川に行って水を汲むところから実験が始まる。笑 他の大学ではできないだろうな…と思ったけど、東大なら三四郎池とかでやったらいいか。

これも高校化学では定番なため、塾のおかげで理論は完璧だけど、実験したのは初めてなので楽しかった。結果として、チャールズ川はあまり汚染されていないということで安心。こういう実験は化学専門じゃない学生でも面白いだろうし、この授業によく合っていると思う。

この日はもう1つ面白いことがあって、実験後に同じTAのアメリカ人のA君と一緒にデータ解析をしたんだけど、同じ水を使ってるはずなのに彼の溶存酸素量は僕の16倍に。

高校化学を教えてる人(いないか)ならピンと来るだろうが、これは高校生がよくやるミス。O2(4価の酸化剤)とNa2S2O3(1価の還元剤)は1:4で反応するんだけど、これを4:1で計算してるため値がずれている。職業病で値を見た瞬間に分かったので指摘したら、'Smart guy!'とかいってめちゃくちゃ驚かれた。笑

正直僕は英語も上手くないし、昼食とか食べていても口数が少ないので影が薄いキャラなんだけど、これ以降A君に話しかけられる頻度が数倍になったし、すごくフレンドリーに接してくれるようになった。以前桑田さんの本でもそんなエピソードを読んだけど、きっかけは何であれ、認められるようなことをするのが重要みたいだ。高校化学に感謝。